プノンペンのスタンミエンチャイにあるゴミ処分場。
経済が大発展中のプノンペン中のゴミを分別なしで一気にかき集めて、そのまま埋め立てているゴミの山。その処分方法も問題であるとともに、その山から金になるゴミを探し出して生計を立てている人達や子供たちの存在も無視できない場所。
モトに尋ねても誰も知らないし、わかったとしても日本人がどうしてそんなところに行きたがるのか理解してもらえなかった。
それは去年までの話。
2007年、キャピトル周辺のモトはほぼ全員が道を知っていて、むしろ彼らのほうから「ゴミ山へ行かないか」と営業してくる。Goキリングフィールド?ガンシューティング?
の次にゴミ山だ。
日本でもテレビでやったりしてあっという間に有名になったらしい。
そして多くの観光客が、その山に大量のお菓子持参で行くらしい。
かわいそうなゴミ山の子供たちにお菓子をバラ撒くらしい、お金持ちの日本人様が。
けどねー、ゴミ山に行ってきてチョコ配って喜んでいる日本人旅行者に、顔見合わせて否定的意見を言うほど野暮じゃないけどさー、もうちょっと考えて欲しいのよね。
元々ゴミ山に住んでる彼らは、乞食でも物乞いでもなくてさ、きちんと働いて生計を立てている人達なのよね。しかも、そのままだとあっという間に土地が足りなくなるゴミ処分場で、集まったゴミを分別してリサイクルにまわすという、なくてはならない仕事をしてる人達なわけ。
もちろん生活環境とか衛生面とか子供の問題とかいろいろあるけどさ、彼らは彼らなりのプライドを持って仕事して生きてるわけ。
それを、自分たちの勝手な色眼鏡で「かわいそうな人達」と決め付けて、彼らの生活に
割って入って、チョコばら撒いて、子供たちに悪影響を与えないで欲しいわけ。
だから、なにか手助けしたいのなら、少しでも環境改善できるような働きかけをするとかさ、衛生改善のための手助けをするとかさ、そういう方向から支援したほうがいいんじゃないかと思うの。
アンコールワットで土産物売ってる子供たちにはチョコ配らないのに、ゴミ山でリサイクルの仕事してる子供にはどうしてチョコばら撒くのか?
屋台で飯食ってるとわらわら寄ってくるお腹すかせた子供たちにはチョコを買い与えてはやらないのに、ゴミ山で毎日働く子供にはどうして?
それがどうしても理解できない。
わかりやすいんだろうな、ゴミ山。
土産物売りの子供たちは自然で身近すぎてピンとこないし、物乞いの子供たちはあまりにも衝撃的で現実として認識できずに。
舞台がそろってるんだね、ゴミ山。
そしてチョコ配ったら満足するんだろうな、「いいことをした」って。「私はかわいそうな人達を助けてる」って。
その結果が彼らに何をもたらすかなんて、全然想像もしないんだろうね。
おまけにゃ、物を知らない観光客どころか、中にはNGO団体とかもせっせとバラ撒きやってたりね。しかもそれを宣伝文句にしたり。
どういう思考回路してたらそうなるんだろ。
ゴミ山に行ってきた観光客からきいた話。
彼が到着した先に、白人グループがバナナを配ってたんだって。そこに後から入ってチョコを出したら、あっという間に100人近くの子供たちに取り囲まれて、先にバラ撒いていたバナナを踏んづけて群がってくるんだって。そして子供たちが一斉に声をあげるらしいよ、
「ギブミーチョコレート!」って。
やれやれ。