日本にいるので直接は知らなかったのだが、先月から若干カンボジアで騒動になっているらしい話。
(上の画像は Sacrava Cartoon より)
カンボジアの有名な研究者としてケン・ヴァンサク博士という人がいて、歴史研究やクメール文学研究・クメール文字改革などでカンボジア人としてはかなりの権威を持っている博士なのだが、
(クメール語タイプライター配列を創った人として、外国人でも私らカンボジア好きなIT関係者で知らない人はいないくらいの人物)
その博士が「ジャヤヴァルマン7世はチャム人だった」という衝撃的な研究成果を発表したようで、新聞で大きく批判され、ラジオのインタビューなどでも解説して、広く人々に知られることになっているらしい。
ジャヤヴァルマン7世といえば、アンコールトムやその他の有名遺跡を造ったことでも知られ、スールヤヴァルマン2世とともにカンボジアで最も偉大な歴史上の人物とされている王である。
ジャヤヴァルマン7世の前の時代にチャム人によって侵略された、ということはいままでも言われてきたことだが、ジャヤヴァルマン7世がそのチャム人からアンコールを奪還したわけではなく、王そのものがチャムだったということらしい。
たしかに、ジャヤヴァルマン7世といえば、石澤氏も指摘しているように、それまでヒンドゥー教だったクメールの地に仏教寺院を次々と建て宗教改革をし、また王の死後はヒンドゥー教の世に戻されるといった、特徴的な謎な動きは残しているのだが。