昨日から「カンボジア」の文字がニュースにたくさん登場している。関門海峡でカンボジア船籍の貨物船が沈没したというニュースなのだが、救出された乗組員も行方不明者もみんな中国人ばかりで、なぜかカンボジア人は一切関連してこない。
そもそもカンボジアには海はちょっとしかないので海運や水産業はそんなに盛んではないし、経済的にも世界を航行するような船舶をたくさん持っているような国ではないはず。
それなのになぜか最近たまに、船の事故などのニュースで「カンボジア船籍」という言葉を耳にする。
これはどうやらカンボジアの船籍取得の簡便さが問題を招いているようだ。様々な規制などを回避するための偽装として籍だけ利用されているようなのだ。
例えば、日本では水産庁によってロシア漁船の入港規制が行われていて、そのためにロシア船がカンボジアの船籍を取得し偽装して日本に入ってくる、ということが行われている。実際の入港数のデータでも、平成13年から14年あたりに急激にカンボジア船籍の船の数が増えているようだ。
この問題は日本に限ったことではないようで、フランスで薬物を積んだカンボジア船籍の船が摘発されたり、中東にミサイルを積んだカンボジア船籍の船が出入りしていたという情報もあるらしい。
船籍取得の簡便さというか、要はおそらく政府の汚職に繋がる問題であって、カンボジア側にも不備があるのだろうが、こんなことろで「カンボジア」という言葉のイメージが下がってしまうのは一般のカンボジア人にとってはいい迷惑だろう。