坊主大暴れ

1525908a.jpg先週金曜日のニュース。
プノンペンで、ベトナム政府のクメール仏教弾圧に反対するデモを行っていた約40名の僧侶が、他の宗派の僧侶集団と衝突、少なくとも3人の僧侶がけがをする結果となった。

日本の夕方のニュースでもちょっとだけ報道された。
しかし、これだけの情報ではお茶の間じゃ、
「お坊さん同士が乱闘なんてやっぱりカンボジアって恐い後進国なのねー」
で終ってしまう。
このニュースを理解するにはまず予備知識として、カンボジアとベトナムとの複雑な関係を知っておく必要があるかも。

1.カンボジアは現在隣国ベトナムによって侵略統治されている
2.ベトナム南部は元々カンボジアの土地でいまでも多くのカンボジア人が住んでいる
3.その南部ではカンボジアの宗教に対しての差別と弾圧がひどい

このような背景で本国カンボジアでは、ベトナム南部で苦しんでいる仲間のカンボジア人僧侶を救うために、しばしば僧侶による訴えがあがり、デモ行進が行われたりするわけ。
そしてそれはベトナム南部のカンボジア人居住区の独立運動へとも繋がっていたりする。

普通であれば、国というのは同じ民族の独立運動を支援してもおかしくはないのだろうが、現在のカンボジア政府というのはそう、ベトナムの傀儡。同胞の支援よりも宗主国様のご機嫌取りのほうが大事なわけだ。
反ベトナムの仏教界と親ベトナムのフンセン政府、この対立。

じゃあ、それがなんで仏教宗派の対立になるのかというのが今回の騒ぎの肝。
例えば、お坊さんたちのデモ行進があったとして、それをやめさせたい政府はなにができる?
今回も100人を超える警察が集まって警備はしていたが、さすがに仏教国で僧侶に対して警察や軍隊が武力を行使することはできないよね。警察が僧侶に殴りかかってるような場面が報道されたら、いくらなんでもあっというまに政府はなくなるだろう。

でもね、坊主同士の乱闘なら仕方ないわけだ。
お坊さんとお坊さんがケンカ。それを止めるために警察。

なるほどね。
こっからはあくまで想像。
頭剃ってオレンジの袈裟着てたらみんな坊主に見えるよね。

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