カンボジアに小学校をたてよう!

ポルポト時代のせいで小学校が足りてないらしいカンボジアに新しく学校をつくるぞ!
方法としては、カンボジア政府が計画してるところに支援するやり方と、こっちが建てたいところに建てるやり方とあるけど、前者にもいろいろと複雑な問題があるので、今回は独自に建てることにしよう。

場所はどこがいいかな。本当に学校が必要な北部国境地域や東部少数民族地方とかは、建てたとこで自慢するのが難しいのでパス。やっぱり観光客が多くてわかりやすいシェムリアップ周辺とか、プノンペンから近くて最近流行ってるプレイヴェーンとかスヴァイリエンあたりかな。

だいたいの地域を決めたら、次に具体的にどこの村にするか決めなきゃ。
まずは基本、どのくらいの子供がいるのか調査。でもただ今の子供の数を数えただけじゃだめだね、これから数年、数十年先にどういった推移をするのか、親の数、若者の数も含めて、子供たちは将来この村に残って次の子供を育てるのかそれとも都会に出て行くのかあたりも想定して計算しないと。
さらに重要なのは、学校を作ったところで、重要な働き手である子供を学校なんかに行かせる余裕があるのかどうか。家庭環境と家族構成と親の仕事と、世帯ごとに収入はどのくらいあるのか余裕はあるのか、その地域の農業のやり方とか規模とかの調査。やはりこれらもそれぞれ今後数十年でどういう変化を見せるのか、その村の発展の可能性はどのくらいあるのか、近くの都市はどういった発展傾向にあるのかなどなどなどなど。

だいたい現地入りしてから村に目星つけてこの辺の調査してデータが揃うまで2~3年ってとこかな。だいたい3~4箇所の村は同時に調査して、絞っていくって形だね。

こうしてうまいことターゲットの村が決まったら、その規模を考えて校舎の設計と用地探しと材料仕入れて職人探して。この辺は超簡単。
人をたくさん使って短期で仕上げるのもいいけど、予算もそんなに使えないので少人数でゆっくりとね。だいたい場所が確定してから整地して校舎とエクステリアまで完成するのに2年か。

足りない資金を集めるためにも、スタディーツアーやワーキングキャンプなどと称して大学生を集めて建設中の学校を見せて、金を巻き上げるのも有効だね。どうせなら彼らに校舎つくりや庭の整地などもやってもらおう。よろこんで手伝ってくれるさ。一度に何十人か集めれば、そのうちの何人かは本格的に賛同してくれて、親の金をたくさん落としてくれるだろうし。

その間に子供たちを放って置くわけにもいかないので、校舎なんてなくてもとりあえず青空教室で寺子屋みたいなことを。勉強なんてまだまだはやいよ。なんてったって学校がどんなもんかすらわからないんだから、毎日決まった時間に集まってあいさつして歌うたったりするくらいで充分。村の人たちとも少しずつ打ち解けていかなきゃならんし。
でも集まってくるのは、小学生なんかに全然満たないガキンチョばっかだな。赤ちゃんを託児所代わりに預けてく親もいるし。
でもまいっか、数年後にはこいつらも小学生になるんだから。

さて、今度は最大の難題、先生集め。
政府が計画的に学校を建設するのと違って、勝手につくってるわけだから、もちろん先生も自分たちで探さなければならないね。ただでさえ教師不足で大変みたいだし。
しかし学校がないから学校を作ろうって言ってるのに、そんな村に先生になるような人材なんてそうそういるもんじゃないな。
いるもんじゃない。見つからない。
自分たちでやるか?大学生のボランティア募集するか?
つーか一番大事なのは識字教育だよなまずは。クメール文字知ってるボランティア大学生なんて余計探すのが難しいじゃん。仕方ないから日本語でも教えるか?だめだそりゃアホすぎる。
やっぱりカンボジア人の先生を探さないと。
なんとかして探す。
一般のカンボジアの教員の月給は$20~$30なんて激安だけど、もちろんそれで生活できるわけじゃなくて、先生たちは学校内外でサイドビジネスをやって生計を立ててるわけで。サイドビジネスってのは、子供にお菓子売ったり、有料で補習やったり、テスト問題売ったり。
でもこの貧しい村でそんなことやってもらうわけにはいかん。そもそも児童数も少ないだろうからそんなに稼げないだろうし。
ということはちゃんと高い給料をはらわないと。月$100くらいで。
5教室あったら先生5人で毎月6万円。年間70万以上か。それに維持費だなんだで100万円は余裕で超えるな。
なんとか300万円で校舎は建っても、今後も毎年金を集め続けないと。
でも「学校を建てよう」っていう募金は集まっても、「学校を維持しよう」ってのは集まりずらいんだよね。
じゃあ次の校舎を建てることにすればいいんだ。そんでまた300万円集めて、まずはこっちの運用にまわすと。で、次の校舎建てるお金は、次の次の学校を建てるっていってお金集めて、その次の次の…

(これはフィクションです。写真と文章とは何の関連もありません。)

後日追記:
このあとなんとか運営できたはいいが、政府に潰されて同じ場所にフンセン小学校が建ちましたとさ。

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